大判例

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最高裁判所大法廷 昭和24(れ)1503 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人軸原憲一上告趣意第一点について。

所論前段の暴言及び脅迫は、原判示酒類密造の現場に臨んだ国家警察浅口地区署

A警部補以下十数名及び福田町警察署B巡査部長等の臨場警察官吏の全員に対して

為したことを認定したものであること、次に所論後段の「数名に対し」との原判示

も前示警察官吏全員を指しての判示であることは、何れも原判文上明瞭である。所

論は右を不明瞭なりと牽強しての立論と言うの外なく到底採用に値いしない。論旨

は理由がない。

同第二点について。

しかし、当該判決裁判所の公判廷における被告人の自白は、それが断罪の唯一の

証拠であつても、刑訴応急措置法第一〇条第三項(憲法第三八条第三項同断)の規

定に違反するものでないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和二三年

(れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判決、昭和二三年(れ)第一五四四号昭和

二四年四月二〇日大法廷判決各参照)。そして、刑訴施行法第二条の規定により旧

刑訴並びに刑訴応急措置法の適用ある本件においては、仮令所論の新刑訴法(現行

刑訴法)実施後においても右解釈を異にする理由を発見することができない。され

ば、原判決はその判示第二の事実につきその公判廷における被告人の自白を断罪の

唯一の証拠としていること正に所論のとおりであるが、上示の理由により原判決は

適法である。論旨は理由がない。

同第三点について。

旧刑訴第四一二条の規定を排除した刑訴応急措置法第一三条第二項の規定が違憲

でないことは、当裁判所屡次の判例とするところである(昭和二二年(れ)第五六

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号昭和二三年二月六日大法廷判決、昭和二二年(れ)第四三号昭和二三年三月一〇

日大法廷判決各参照)。そして所論は究極するところ原判決の量刑を不当なりと主

張するものであるから、上告適法の理由とならない。

よつて、旧刑訴第四四六条にしたがい、主文のとおり判決する。

この判決中第二点について塚崎、沢田、井上、小谷、穂積各裁判官の反対意見及

び真野、斎藤、各裁判官の補足意見(その各意見の詳細昭和二三年(れ)第一六八

号同年七月二九日大法廷判決、昭和二三年(れ)第一五四四号昭和二四年四月二〇

日大法廷判決各参照)の外全裁判官一致の意見によるものである。

検察官 茂見義勝関与

昭和二五年二月一日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 井 上 登

裁判官 真 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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